皆様こんにちは!

人と自然のご縁をつむぐ「つむぎ養蜂園」を運営する、「株式会社つむぎ」代表取締役の阿久津 瞳です!
私は、自然に囲まれた栃木県芳賀町で生まれ育ちました。
スタジオジブリの作品の、ナウシカやトトロが大好きで、将来はナウシカのように、自然を守れる人になりたい願い、自然のことを勉強するため、宇都宮大学 農学部 森林科学科で学び、大学卒業後は敷地内に森があるホテルで、自然ガイドの仕事をしていました。
同時期に、アイリッシュハープの趣味が高じて、本場のアイルランドまでハープを学びに行き、帰国後は演奏活動や講師を行うようになりました。

ミツバチとつむぐ想い|つむぎ養蜂園

私はただのハープ演奏家では無く、人と森とを繋ぐハープ演奏家になりたかったため「森のハープ弾き」と名乗っております。
国産材の需要と価格の低迷によって使われず荒れた日本の森を救うため、国産材を使用したハープの製作、演奏、販売などを行ってきました。
演奏活動の際には、国産材でできたハープを使用し、日本の森の現状についてお話しています。
森の中でハープを演奏するイベントの実績もあります。

師匠との出会い

2019年に、私は、宇都宮大学大学院 地域創生科学研究科に入学しました。
栃木県で多く見られる、里山を生かした地域活性化の方法を研究したかったからです。
入学後に、学部時代からお世話になっている、宇都宮大学の山本美穂教授のご紹介で、今の養蜂の師匠である、うすい養蜂園の薄井一郎氏に出会いました。

養蜂の師匠との出会い

 

薄井氏は、栃木のいちご王国を支える、花粉交配用ミツバチの貸し出しを生業とする養蜂家さんです。

栃木県の養蜂業者が高齢化していることを憂いて、後進の指導を大変熱心にされています。

宇都宮大学の学生である私たちにも、1年間もの間、週一回、養蜂の作業の講習をしてくださいました。
その際は、地元の下野新聞にも取材していただきました。

取材内容はこちら
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/221159
(※2019/9/18掲載)

養蜂の可能性

講習の際に、初めてミツバチの箱を開けて中を見せていただいた時、とても感動したのを覚えています。
そして、師匠の薄井氏より、ミツバチの生態や飼育方法についてのお話を聞くほど、その面白さにどんどん惹かれて行きました。
それに加えて、はちみつを吸ったり、体についた花粉を団子にまとめたりするミツバチの仕草がとっても可愛いのです。
私はすっかりミツバチの虜になってしまいました。

大学の学部生時代に、森林には、人間にとって土砂災害防止、水源涵養、生物多様性保全、木材生産、文化、地球環境保全、快適環境形成、保健、レクリエーションなど、様々な機能があるということを学んではいました。

しかし、養蜂に関わるようになってから、森林はミツバチにとって、木本性蜜源、つまり、トチノキ 、ヤマザクラ 、フジ、クリなど、ハチミツのもととなる花の蜜を得ることができる場所であると、初めて認識しました。

とても衝撃でした。

国産材ハープと同じく、養蜂には、人と自然の関係性を再び結ぶことができる可能性を感じました。

そこで、2020年4月から、私も養蜂業を始めることにいたしました。

里山の現状

私や師匠は、ミツバチの巣箱をいわゆる「里山」に置いています。
里山は、人と自然とがうまく折り合いをつけてきた結果生まれた景観です。
市街地、住宅地などはどうしても、ミツバチが人を刺すリスクや、洗濯物や車に糞が付くリスクがあります。
適度に人家から離れ、アクセスがしやすく、巣箱に降り注ぐ夏の強い日差しを和らげてくれる里山は、養蜂場として適しています。
昔は、畑や田んぼに肥料として入れる木の葉や、燃料の木の枝、山菜などの食糧を手に入れる、生活になくてはならないものでした。

良く手入れされた見通しの良い、明るい里山は、たくさんの生き物が棲む生物多様性の高い空間であり、人と、イノシシやシカなどといった野生動物たちの領域との緩衝地帯でもありました。

現代では、人と里山との関わりの希薄化や農業の後継者不足等により、私や薄井氏がミツバチを飼育している栃木県でも、あちこちで、荒れた里山や耕作放棄地が増えてきています。

里山が荒れると、地表に生える草花たちが育たなくなり、生物多様性が低下します。
また、野生動物たちと人間の領域の境が曖昧になり、農作物の鳥獣害が増えてしまいます。
しかし、ミツバチを飼うために、里山に巣箱を置く際には、下草を綺麗に刈り払うため、養蜂は里山の手入れにつながります。

師匠である薄井氏の活動

さらに薄井氏は耕作放棄地に菜の花やクリムゾンクローバーといった蜜源植物を植え、全国的に不足している蜜源の増加と、景観の改善に取り組んできました。

加えて、栃木県の養蜂家の有志で結成した(私も所属している)八方ヶ原西洋蜜蜂倶楽部(柏 雅美 代表)の一員として、アニスヒソップという蜜源植物を植栽したり、山に蜜源樹の植栽をしたり、薄井氏は精力的に活動してきました。

私もそんな薄井氏の活動を見習い、私も親会社所有の太陽光発電所に、蜜源植物であるそばの花を植えました。

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薄井氏や私が行っている、蜜源植物を増やすことは、より多くのはちみつが収穫できるようになることに加え、ミツバチ以外の、野生の吸蜜性昆虫の食糧にもなります。

耕作放棄地や荒れた山が減って、里山の景観が改善されます。ミツバチを飼い、蜜源を増やすことは、 養蜂家だけでなく、里山に暮らす人々や、里山に棲む生き物のためにもなるのです。

まず今年は、ミツバチを通して自然に興味を持ってもらえるような単発の体験プログラムを行っていきたいと思います。

将来的には、より多くの人が、養蜂と自然との関わりや、養蜂の技術をオンラインで学べるような仕組みを作ったり、趣味で養蜂を始めたい方、養蜂業に参入したい方へ定期的に講習会を開く養蜂スクールにも挑戦したいと思っています。

養蜂を通して、たくさんの方が自然との繋がりを持ち、荒れた里山や耕作放棄地の改善につながって行けば素敵だなと思っています。

養蜂を通じて 自然と人とのご縁をつむぐ。